分かり合えない夫婦は別れるしかないのか ―夫妻宮の化忌から考える夫婦の形―
2026/08/31
大阪で紫微斗数の鑑定をしていると、夫婦関係について、たとえばこんなご相談をいただくことがあります。
長年連れ添ってきたけれど、夫とは物事の受け取り方も、会話に求めるものも違う。夫に悪気があるわけでも、家族への愛情がないわけでもない。それでも、自分の言葉を受け止めてもらえないと感じることが多く、一緒にいても孤独を感じてきた。離婚を考えることもあるけれど、長い夫婦の歴史や情もあって、簡単には決められない。分かり合えない夫婦は、別れるしかないのだろうか――。
この方の夫妻宮に、化忌があるとしましょう。
夫妻宮に化忌があると聞くと、「結婚生活がうまくいかないのでは」「離婚するのでは」と心配になる方もいるかもしれません。けれど、化忌があるからといって、必ず離婚するわけではありません。
化忌は、その宮について何度も心に引っかかりやすいことや、すぐには答えの出ないテーマを表します。夫妻宮であれば、相手との違いや、思うように分かり合えないことが、人生の中でくり返し意識されることがあります。
相手に悪気はなくても、自分が求めている愛情の形とは違う。相手なりの愛情があると頭では分かっても、心の寂しさまでは消えない。その寂しさを相手に埋めてもらおうとすると、「どうして分かってくれないの」という思いが強まり、相手を責めることにもつながります。そして、責めてしまった自分をまた責めてしまう。
けれど、物事の受け取り方や、心のやりとりに求めるものは、その人が持つ特性でもあります。どちらかが悪いのではなく、二人の違いが大きいことで孤独が生まれている場合もあるのです。
そんなとき、選択肢は「離婚する」か「我慢して一緒にいる」かの二つだけではありません。
自分の孤独をすべて相手に埋めてもらおうとせず、仕事や活動、学び、人とのつながりなど、自分の言葉や心が行き交う居場所を育てていく。そしてそれぞれが自分の人生を大切にしながら、重なる時間や出来事があれば分かち合う。それもひとつの夫婦の形ではないでしょうか。
話す時間や一緒に過ごす時間が変わっても、長年夫婦として歩んできた歴史がなくなるわけではありません。
夫婦だからといって、すべてを理解し合う必要はないのかもしれません。分かり合おうとするほど、相手の背景を深く受け止められる側ばかりが理解役になり、すり減ってしまうこともあります。
大切なのは、相手の内面を完全に理解することではなく、自分には分からなくても「この人にとっては必要なことなのだ」と認めること。相手を変えようとせず、自分も相手に合わせすぎない。それぞれが自分の人生を生き、相手の時間や選択を尊重することです。
夫妻宮の化忌は、必ずしも別れを意味するものではありません。当たり前だと思っていた夫婦の形に問いを投げかけ、自分たちに合う関係へ組み直していくテーマとして表れることもあります。
「分かり合う」ことではなく、「違うまま認め合う」こと。それが、このご夫婦にとっての新しい調和なのかもしれません。
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月のしずく
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